Theme: 受験戦争の過激化による、親のエゴ化・課金ゲーム化・早熟化 
Format: ポスター、チラシ、成績表 
Tools: Ai 
Materials: 紙 
SICF21 出展作品
私自身、中学と大学で受験を経験しているが、家庭教師や塾でのバイト、塾で働く母の話などを聞くと、受験というものがますます過激化しているように感じる。さらに、この「受験戦争」とも呼べる一連の競争では、親が自分のプライドを満たしたり、達成できなかった夢を子供に託す、などといった、「親のエゴ化」、家庭教師や塾、早期教育などにお金を費やす方が有利になる「課金ゲーム化」、大学受験、高校受験、中学受験、小学受験、幼稚園受験...と受験の始まりが早くなる「早熟化」という3つの現象が顕著である。このような現象がさらに過激化すると私たちヒトの人生は、両親の収入格差や情報格差に依存することになるだけでなく、若年期から異常なストレスが溜まったり、人生の選択権が狭まったりしてしまう。終身雇用制度が崩壊してキャリアが自由化し、レールに沿った人生というものがなくなりつつある今、幼少期、青年期にはガチガチに引かれたレールに沿った道に従うことが吉とされつつあるのは皮肉である。
作品に関しては、自分の研究分野である遺伝子編集を題材にした。受験戦争がますます過激化し、遺伝子を自由にデザインして、子供の遺伝子を編集することが可能になり、出生直後には遺伝子成績というものによって、潜在的能力を測定されるような世界を想定し、両親のエゴを擽るようなポスター、課金によってデザインの幅が広がる料金システムを描いたチラシ、模試の結果を模した遺伝子成績表を制作した。ここで重要なポイントは、我々の身体・知的能力、見た目などは環境要因と遺伝要因の二つから成り立っているが、実は遺伝要因は50%ほどしか関わっていないということである。
つまり、私はこの作品を通して、こういった問題を投げかけて観客自身に考えるきっかけを与えると同時に、人生において挑戦することに年齢制限はないこと、決まったレールもないこと、時代や環境によって求められる能力も様々であることなども暗に主張する。
※ 先程のポスターはフィクションです。
※ 画像はぱくたそより利用しました。
(左)モデル:あまのじゃく カメラマン:すしぱく、(中央)モデル:土本寛子 カメラマン:すしぱく、(右)モデル:さとうゆい カメラマン:すしぱく
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